年に1回、1月に祝われるシヌログ祭は3日間にも渡る、セブひいてはフィリピンで最も有名な宗教祭の一つです。500年以上の歴史があり、毎年全国から約300万人の人々がこの祭りを訪れます。
そんなシヌログ祭のイメージと言えば、道路を埋め尽くすさんばかりの人々が大行列をなしてサントニーニョ教会を目指す豪華なパレードや、誰とも知らない人から塗料を塗りたくられ、シヌログTシャツを着て街中をねり歩く、そんな感じでしょうか。
雰囲気はどんちゃんお祭り騒ぎで、中心部に行けば行くほどペイント弾を浴びます。
私の家の目の前の道路は冗談抜きでこんな人口密度になるので、シヌログ中はおいおい外に出られません。もちろん、歩行者天国になります。
そんなシヌログ祭、フィナーレの最終日の前に水上パレードが行われていることを知っている外国人は実は多くないかもしれません。サントニーニョを乗せた装飾船が教会を目指して群をなすこのイベントは、Fluvial Parade(河川パレード)またはFluvial Procession(河川行列)などと呼ばれています。
船は陸上パレードと同じくそれぞれ会社や団体ごとに出ていて、その数は200隻近くにもなると言います。その装飾船の周囲を観光ボートが取り囲んでいて迫力満点。午前6時頃にマクタン島から出航。約2時間ほどかけてセブの中心部「第一埠頭」を目指します。
知り合いが今年のパレードで船を出していて、午前3時頃から出航準備に取り掛かるという話でした。日中は炎天下の中、子供から大人まで皆が厚い民族ドレス衣装を着て何キロも踊り歩きます。
一日本人の視点からですが、このお祭りはとてもハードだなぁとつくづく感じます。
普段は近距離でも積極的にジプニーやバスに乗るフィリピン人からは想像もつかず、それくらい彼らにとってシヌログは、サントニーニョ信仰と、そして、セブのアイディンティティそのものなんですね。
この時期のセブ島もぜひ楽しんでいただきたいなと思いますが、この時期はホテルの値段が通常の3倍ほどに跳ね上がります。また、お店の営業時間が変則的だったり、この水上パレードの準備や見物客らの予約でアイランドホッピングなどマリンアクティビティができない可能性がありますので、その点はあらかじめご了承くださいね。