【5月は選挙】白熱するフィリピン大統領選も佳境に

現地ニュース

セブ島のマンダウエ市では4月21日、人々がとある会場に集まりピンク一色になりました。
「CEBOOM」と題するこれは何かの音楽コンサート(?)かと思いきや、これ実は5月9日に行われるフィリピン大統領選挙に立候補しているレニ・ロブレド現副大統領の選挙遊説なんです。

レニ氏は「麻薬戦争」と呼ばれているドゥテルテ大統領の過激すぎる麻薬撲滅政策や、後述する故マルコス元大統領を英雄墓地に埋葬するというドゥテルテ氏の独断に対して反対の立場を取っています。テーマカラーはピンクで、副大統領に立候補しているキコ・パンギリナン上院議員と「レニ・キコ チーム」を組んでいます。


凄い人の数で、ニュースでは「子どもとお年寄りは応援に駆け付けないように」という報道までされています。皆政治に熱心なんだなぁと思ってしまいますが、キコ・パンギリナン上院議員の奥さんはフィリピンを代表する有名女優で、そのためか遊説には多数のミュージシャンや有名人が応援に駆けつけています。あながちコンサートと言っても間違いではない一面もありますね。

対立している最有力候補は、かつてフィリピンで独裁政権を築いていた故マルコス元大統領の長男ボンボン・マルコス氏と、現大統領ドゥテルテ氏の娘であるサラ・ドゥテルテによる「ビービーエム・サラ チーム」です。いわゆる、政界の大御所がタッグを組んだ形で、こちらのカラーは赤&緑になっています。

その他、今回の大統領選挙では、元ボクシング世界王者のフィリピンの英雄、マニー・パッキャオ氏やスラム出身の元俳優であるマニラ市長など、様々なバックグラウンドを持つ人々が立候補しています。

フィリピンの選挙は、6年に一度の大統領選挙を除くと、市長、村長など、あらゆる長の役職を同時に選挙で決めるため、毎年約1万8000議席を争うかなりの大イベントになります。この時期は、支持政党が違うと友人同士でも口を利かなくなるくらいに険悪になるということで、在フィリピン日本大使館では、集会やデモには注意するよう呼び掛けています。

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