ストリートやローカルの食堂でこのような葉を編み込んだものが大量に吊るされているを見かけることがあります。
現地語ではpuso(プソ)、英語ではhanging rice(吊るされたご飯)と呼ばれていて、ココナッツの葉を器用に織り込んだ中には白ご飯が詰まっています。まさに日本で言う「おにぎり」のような保存食で、一つ5ペソくらいで売られています。
調理法が「炊く」ではなく「蒸す」であり、お米が膨張する余地もないため、日本人からするとかなり固めのご飯、という印象を受けます。しかし、フィリピンでは伝統的には箸やフォークは使わずに素手でご飯を食べるため、固い方が崩れにくくて食べるのに都合がよく、バーベキューやキャンプのお供に携帯されて食されます。編み込んだ葉を解くのは困難なため、食べる時はナイフで切り込みを入れて、開いて食べます。
原則ご飯自体に味は付いていないので、主食となる肉料理やシューマイなどの味の濃い食品はそのソースと絡めて食べます。地方によっては甘い味付けのプソもあるようです。
葉を使ったご飯料理はプソだけではありません。
こちらはSumanまたはibosなどと呼ばれているお菓子で、もち米をバナナの葉で来るんで蒸したものです。見た目も食感も、日本の「ちまき」に酷似しています。
ただし、ちまきと異なる点もあります。それは豊富なフレーバー。
チョコレート味、ココナッツ味、紫芋味、サトウキビ味、ミックスなどなど、多彩なバリエーションのあるのが特徴です。最初はその見た目にギョっとしてしまいますね。
バナナの葉は「お皿」「お弁当箱」そして、最近では「包装」の用途としても使われます。
古き良き文化を今の時代にあった形で再提案できるように心がけたいですね。