フィリピン訛りを知って自身の学習に活かそう

フィリピン文化

今の受験英語やTOEICのリスニングは、アメリカ英語だけでなく、イギリス、オーストラリアなど、数カ国の訛りを聞き分けるのが当たり前になっています。この傾向は今後もっと大きくなるでしょう。

オンライン英会話はフィリピンやセルビアの講師が多いですよね。彼らの発音の傾向を知っていると、多少訛りのある先生相手でもリスニングがしやすくなり、各国の英語が入り混じる実践の国際的な場、海外旅行でも役立つはずです。

今回は発音の第二弾として、フィリピン英語の特徴を一緒に見ていきましょう。

フィリピン英語とは

フィリピンでは、学校教育は国語の科目以外すべて英語で行われていることから、国民の93%の人が英語を話すと言われています。英語の習熟度は、①家が裕福かどうか②学歴の2つに依存しており、基本的に学歴の高い人は、綺麗なアメリカ英語を話す傾向にあります。一方で、金銭的な問題から学校を中退せざるを得なかった人(ここでいう学校は義務教育も含みます)は、土着語(タガログ語など)の影響を強く受けたアクセントの英語を話します。


オンライン英語講師で、強いフィリピンアクセントで話す人はあまりいないでしょうが、フィリピンを旅行した際には、これくらいの強さのフィリピン訛りは聞く機会も多く、タクシードライバーやバイクタクシーなどでは、もっと強い訛りで話されることもあります。

フィリピン訛りの特徴

f音(フ)がp音(プ)になる

Philippines(フィリピン), photo(フォト), favorite(フェイヴァリット)にある「ファ・フィ・フゥ・フェ・フォ」の音が「パ・ピ・プ・ペ・ポ」の音に聞こえます。

v音(ヴ)がb音(ブ)になる

日本人でもあるあるですね。母国語にv音が無いため、英語でもvの発音をすべきところでb音になってしまう傾向があります。

z音(ズ)がs音(ス)になる

days(デイズ)などz(ズ)の音で発音すべき所で、days(デイス)と聞こえることがあります。よって、複数形や三単現の学習をフィリピン人講師とする際はこのことに気を付けてください。

th音が苦手

これは日本人も苦手な音ですが、thの発音である / θ /と/ ð /が、それぞれ / t /と/ d /に聞こえます。
よって、think が tink、 that が dat のように聞こえます。
th音は、舌を上の歯と舌の歯で軽く挟んでそのまま空気を吐くような音で、空気の擦れるような音・口の形が重要になります。カタカナの「ス」「ズ」「ドゥ」とは全く別の音です。

“-ple”、”-cle”、”-ble”のシュワ音がo寄りになる

これも日本人にも似た傾向がありますが、例えばpeopleと言いたい時、ピーポルのようにオの音が混ざってハッキリとした発音になります。曖昧音と言われるシュワ音/ ə /は、どの音にも属さないような、口を脱力させて出すとても軽い音で、カナ表記することはできません。

アクセントが後ろに来やすい

アメリカ英語では前にアクセントのある単語でも、後ろにアクセントを置くことがよくあります。
例えば、wedding、本来eの位置にアクセントが来ますが、iの位置にアクセントが来ます。
yesterdayも同様に、aの位置が強く読まれる傾向があります。

heとshe、hisとherがごっちゃになる

発音とは関係ないので、番外編ですが、フィリピン語ではheとsheに相当する言葉は性別で区別せず一つの単語しかないため、英語でのこれらの区別がごっちゃになりやすいです。もし話の前後で「ん?」と思った時は、「あ、言い間違えたんだ」と軽く思いましょう。

フィリピンで使われる独自の英語表現

国にはそれぞれ独自の言い方をする表現があります。アメリカ英語でelevatorでもイギリス英語ではliftというような感じですね。ここでは、フィリピンで主に使われている独自表現をご紹介します。

トイレ【 comfort room / C.R 】

アメリカ英語ではrestroom、イギリス英語ではtoilet または loo、カナダ英語ではwashroomなどのように表現され、国によって言い方がことなる代表格です。

停電【 brown out 】

アメリカ英語ではblackoutと言います。brownoutというと、電圧低下や計画停電という意味合いですが、フィリピンでは計画されているのかされていないのか分からないような、直前予告による計画停電や断水がよくあるので、こちらのほうが生活に浸透しているのだと思われます。

渋滞【 traffic 】

アメリカ英語では、traffic jamやcongestionなどが使われますが、フィリピンではtrafficを形容詞的に「渋滞している」という意味で使います。

ちょっと待って【 For a while. 】

アメリカ英語では、for a whileというと「しばらく」の文字通り長めの時間を想像しますが、フィリピン人はFor a second. / Just a minute.と同じ「数秒~1分くらい待って」の意味で使います。
フィリピンタイムと呼ばれるのんびりした時間感覚と、他の国の人の感覚を比較すると、これくらいでちょうどよいのかもしれませんが。

お勘定【 Bill out 】

アメリカ英語ではCheck、イギリス英語では Bill を使い、いずれも out は付けません。
この表現は比較的最近の流行り言葉的な感じでフィリピンに浸透したようです。

頻繁にMa’am や Sir を付ける

フィリピン人は接客業で「マム」や「サー」という敬称を頻繁に使います。これ自体はアメリカやイギリスでも使う表現ですが、その頻度が問題で人種格差の背景があるのかなぁと深読みしてしまいます。

他にも色々ありますが、それはあなたの先生と一緒にフィリピン人との実践会話の中で見つけてみてくださいね!

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