日本人がカルチャーショックを受けることのひとつに、フィリピンの朝の通勤風景があります。
そう、大体の方の髪の毛がべちゃべちゃに濡れているんですよね。特に女性のロングヘアであれば、服まで濡れてしまっているじゃん!という方もいます。
フィリピン人講師のオンラインレッスンは数知れずありますが、午前中にレッスンを取っている人は、この文化に遭遇して「え?先生スコールに打たれてきたのかな」なんて思っている人もいるかもしれません。
実はフィリピン人によると、髪が濡れたまま出勤するのにはいくつか理由があるんです。
理由① 清潔感のアピール
ご存じの通りフィリピンは常夏の国です。夜にシャワーを浴びたとしても、熱帯夜を扇風機のみで凌いでいれば朝には寝汗べっしょり…。フィリピン人の通勤手段は乗り合いバスのジープニーで、通勤ラッシュは、小さいバスにこれでもかと乗り込みます。ローカルの人でも、隣の人が汗のにおいを漂わせているのは嫌だということで、髪が濡れていることは「私は朝ちゃんとシャワーを浴びて綺麗ですよ」と周りに宣言しているようなものなのだそうです。
理由② 電気代が高い
フィリピンでヘアドライヤーは安いもので600ペソ(約1200円)くらいから売られています。
日本人からすると「安いじゃん」という感覚ですが、フィリピン人の給料感覚でいうと1日~2日分の給料に相当するので、そこそこ高価です。そして、それ以上に追い打ちをかけているのが「電気代」です。
前提として、フィリピンでは家電製品が日本ほど普及していません。
電気代が異常に高いからです。
庶民は洗濯機なんて持っていません。毎週日曜日はたまった衣類を手洗いする洗濯デーです。
電子レンジや掃除機のあるご家庭も、かなり少数派だと思います。
そもそもフィリピンは熱帯なので、濡れた髪を放置していてもすぐに乾きます。
それをドライヤーを使ってわざわざ乾かすことに意味を感じないのかもしれませんね。