英語サイトで見かける[sic]って何?

役立つ英会話表現

学校のテキストでは決して見かけないけれど、実践の場でよく見かける記号があります。
それが[sic]という記号のようなもの。この[sic]はラテン語で「シーク」、英語式に発音するなら「シック」になります。


Bad grammar makes me {sic}
[メチャクチャな文法は私をsicにさせる]

英語のダジャレで、sick(気分が悪い)=発音が同じ と掛けています。

今絶賛開票中のアメリカ大統領選関連のインタビュー記事などにも沢山出てきます。

Joe Biden Touts ‘Most Extensive & Inclusive Voter Fraud Organization in History of American Politics’

…But one of the things that I think is most important is those who haven’t voted yet, first of all, go to “I Will Vote dot com” to make a plan exactly how you’re gonna vote, where you’re gonna vote, when you’re gonna vote, because it can get complicated. Because the Republicans’ve [sic] doing everything they pan [sic] to make it harder for people to vote — particularly people of color to vote. So go to “I Will Vote dot com.”…

上の文は、「まだ投票に行っていない人」についてのバイデン氏の発言の一部を抜き取ったものです。この短い発言の中に、[sic]という記号が2か所入っていることが分かります。

sicの意味とは

これらの情報から推測できた人もいるかもしれません。
これはラテン語の sic erat scriptum (このように書かれてました)の略で、意味は日本語で言うところの「原文ママ」となります。発言をそのまま掲載していますよ、編集者によるミス等ではありません、という時に使われます。

先ほどのバイデン氏の例で言うと、最初の[sic]の場所は分かりやすいですね。the Republicians(共和党)に have の短縮形である ‘ve が付いているので現在完了形、後ろには本来「過去分詞」が来なければなりませんが、「現在分詞」が続いています。been doing とするのがいいでしょう。
2つ目の[sic]の箇所では、フライパンのpanは動詞で扱うと「けなす、酷評する」という意味がありますが、これは他動詞の用法なので、pan単独では使うことはできません。この文の主語はthe Republiciansになるので、党員らが誰をけなすかというと、目的語にpeople(人々)が必要です、この人々とは、特に後半で挙がっているpeople of color(有色人種の人々)のことを指しています。

いちいち間違いを気にせず、会話のスピード感に慣れる

ネイティブであっても、この手のインタビューなど即興で答えなければならない時、普段の会話中には、いい間違いや勘違いなどが多く含まれます。外国人と交流したての時は、その一つ一つのミスに気付かずに「こんな用法・表現があるのだろうか…」などと立ち止まってしまうことが多くありますが、皆さんが思っている以上に彼らはよく間違えますし、タイプミスも気にしません。前後関係から言わんとしていることが読み取れればいいので、逐一間違いを訂正することも殆どしません。

ノンネイティブ、英語学習者であればなおのこと間違いが含まれるのは普通のことですので、どんどん発言していくことが大切です。

ニュースサイトなどを教材にして学習する場合で[sic]が含まれている場合は、その直前に文法的なミスあるいは情報や数字のミスが含まれていることに注意しながら読み進めましょう。[sic]の場所がなぜおかしいのか、間違い訂正をしてみても良いトレーニングになると思います。

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