英検のライティング問題は、これ!という絶対的な模範回答がありません。
どの程度答えられれば点数がもらえるのか、分かりにくいセクションです。
今回は、内容が難しくなってくる英検準2級のライティングの解き方を一緒に見ていきましょう。ライティングの書き方の基本を押さえることで、英語のエッセイ・小論文へ応用することができます。
前回の英検3級のライティング対策の記事が好評だったので、その次の目標である準2級のライティングの考え方について、過去問を使って皆さんと一緒に確認していきたいと思います。
今回は英検準2級の2020年第2回のテスト問題を題材にしていきます。
1、QUESTIONを理解し、それに対する答えを考える
(親は子どもを博物館へ連れていくべきだと思いますか?)
まず文の意味が分かるかどうかが第一関門です。
もしこの文を理解できない場合は、単語力の不足、文法理解の曖昧さがありますので、全体的な文法の復習が必要になります。「一般動詞の文」「that節」「助動詞」の単元をおさらいしてください。
ライティングの書き出しは、問題文にもある通り、「あなたの意見」から始めます。
つまり、子どもを博物館へ連れていくべきかどうかですね。
ちなみに、museumsは、美術館、歴史博物館、科学博物館、いずれを想定してもOKです。
×It depends on a family and their environment.
(それは家族と環境に寄ります。)
設問者はそういうことを聞いているんじゃないんです…。
英作文では曖昧な答えは低評価を受けます。必ずYesなのかNoなのかはっきりしましょう。
「あなたの意見」は、高得点を狙うのであればほぼ同じ意味の言い換え文を考えてみましょう。ここで扱う文は最初と最後に2回使います。それぞれ別表現が使えるのがベストですが、制限時間や単語数制限のことも考えれば、1回目は I think so./ I don’t think so.を使って構いません。
そして、最後に言い換え文を持ってくると、単語数のバランスもとりやすいです。
〇Yes, I think so.(1回目)
◎Yes, I think they should go to museums with their children as much as possible.
◎Yes, I think they should take their kids to educational facilities(またはplaces).
◎Yes, I think it’s a good idea to stimulate their interest.
〇No, I don’t think so.(1回目)
〇No, I think they don’t have to take them to museums.
◎No, I think they should take them to nature instead of museums.
◎No, I don’t think they should give them these opportunities.
・「〇〇に連れていく」→「〇〇に一緒に行く」と言い換えることができます。
・頻度の副詞句(as much as possible[できるだけ多く])などで強調しても良いでしょう。
・childrenをkidsに言い換えることができます。
・museumsをeducational facilities(教育的な施設)に言い換えることができます。
→facilityは英検2級相当の単語なので、placesとしても良いと思います。
・問題文を it’s goodとした上で、その理由を先取りして述べてもよいでしょう。
→stimulate one’s interestは準2級相当の表現で「興味を刺激する」という意味です。
・should(するべきか)の問いに対して、don’t have to(する必要はない)が使えます。
・「博物館に連れていく」→「子供に機会を与える」と言い換えることができます。
・学校の勉強に役立つから
・知的好奇心を刺激して好きなことを見つける助けになるから
・将来なりたい職業を見つけるキッカケになるから
・家族で時間を共有でき、楽しむことができるから
・学問に対してプラスのイメージを持たせることに役立つから
・自分たちの歴史やルーツを知ることができるから
・一流の、文化的に価値のあるものに触れることができるから
・教科書に載っている貴重な資料を実際に目の前で見ることができるから
・興味のない博物館へ行くことは子供にとって退屈だから
・実生活に役に立たないから
・内容が専門的過ぎて子供にはほとんど分からないから
・博物館は大人が知識を深めるための場所だと思うから
・人工的にデザインされた空間よりも自然の中で体験することの方が価値があるから
・学校で博物館見学に行くので、親がわざわざ連れていく必要はないと思うから
・本やインターネットで得られる知識で十分だから
・子供に色んな情報を与えすぎてしまうと、一つのことに集中できないから
3、1つの理由につき、理由と補足情報の合計2文を作る。
大体の英検対策サイトでは「For example,(例えば)」を続けなさいとありますが、一般論や研究、個人的な体験など、人に「なるほど」と思わせる文なら、なんでもOKです。コツは、理由文に対して「何でそう思うの?」と自分に問いかけることです。
「なんでそう思うの?」
→学校で習った時に、記憶が思い出されて簡単に覚えることができる
「なるほどー」・博物館の展示は子供にとって難しくて退屈だから
「なんでそう思うの?」
→自分が歴史博物館に親と行った時、内容が理解できず時間の無駄だと思った
「なるほどー」
◎It’s useful to study at school.
(それは学校での勉強に役に立ちます。)
When you learn something in class, you can remember that experience and memorize it easily.
(授業で習った時に、あなたはその経験を思い出すことができ、簡単に知識を記憶することができます。)
△It gives you a chance to think about what you want to become in the future.
(それは将来あなたが何になりたいのかを考えるチャンスをあなたに与えてくれます)
Visiting art museums makes my sister study design in a university now.
(美術館を訪れたことが、今、私の姉が大学でデザインを勉強しているきっかけになっています。)
↑下の文は内容は良いですが、一つの理由で28単語使っており長すぎます。最長60単語にまとめなければならないので、全体のバランスを考えて、一つの理由は20単語を目安にしましょう。
理由をもっと完結にして、
It helps children to think about their future.
(それは子供たちに彼らの将来を考える手助けをします。)
にすると、19単語に収まります。
〇It’s a waste of time to go to museums Most children are not interested in.
(多くの子供が興味を持たない博物館へ行くことは時間の無駄です。)
Exhibits are too difficult for small kids and they feel bored.
(展示物は小さな子どもには難し過ぎて、彼らはつまらないと感じます。)
◎Nowadays, even children can use the Internet to search for information.
(今は子供でさえ、情報を検索するためにインターネットを使用することができます。)
They can get the same knowledge faster easier and cheaper online than visiting museums.
(彼らは博物館を訪れるよりも、より速くより簡単により安くオンラインで同じ知識を手に入れることができます。)
3、テンプレートにあてはめて、指定された単語数内で文をまとめる。最初に述べた通り、英検準2級のライティングの構成は以下の通りです。
前後を繋げるテンプレートを当てはめてみましょう。
①I think so.または I don’t think so.
②Firstly(第一に), [理由①]と[補足①]
③Secondly(第二に), [理由②]と[補足②]
④Therefore(したがって), [自分の意見(再度)]
※単語数に余裕があれば、①は[自分の意見] for two reasons(二つの理由で).にしてみましょう。
→単語数が逼迫している場合は、for two reasons は省略して構いません。
→単語数が逼迫している場合は、I think を書かなくても構いません。
※[自分の意見(再度)]では、I think so./ I don’t think so.は使わないでください。
ここでは、より語彙力をアピールできる『I think so./ I don’t think so.を使わないパターン』の回答例を挙げています。ただし、単語数を消費してしまうため『言い換え文が思いつかない』『本文をもっと充実させる必要がある』場合は、無理をせずI think so./ I don’t think so.を使ってください。
Yes, they should give their kids these opportunities for two reasons.
Firstly, it’s useful to study. When children learn something in class, they can remember that experience and memorize the knowledge quickly.
Secondly, it helps them to think about their future. For example, visiting museums makes my sister study design at university.
Therefore, parents should bring them to educational places.【60 words】
(はい、2つの理由から、彼らは子どもたちにこのような機会を与えるべきです。
第一に、それは勉強に役立ちます。子どもたちが何かを授業で習った時、彼らはその時の経験を思い出すことができ、知識をすばやく覚えることができます。第二に、それは彼らが自分たちの将来を考えることを助けます。実際に、美術館を訪れることは、私の姉が大学でデザインを勉強するきっかけになっています。したがって、親は彼らを教育的な場所へ連れていくべきです。)
No, I don’t think parents should give them these opportunities.
Firstly, exhibits there are too difficult for kids. it just makes them bored.
Secondly, nowadays, children can use the Internet. They can get information faster easier and cheaper on Wikipedia and Google than visiting museums when they need it.
Therefore, parents don’t have to take them to these places. 【59 words】
(いいえ、私は両親がそのような機会を与えるべきだとは思いません。
第一に、博物館の展示は子供たちにとって難しすぎます。それは子供たちを退屈にさせるだけです。第二に、今の時代、子どもたちはインターネットを使えます。彼らは必要な時に、博物館を訪れるよりも速く、より簡単に、より安く、ウィキペディアやグーグルで情報を手に入れることができます。よって、両親は彼らをそのような場所へ連れていく必要はありません。)
どちらも単語数上限60語に収まるように、最初の文から内容を変更したり削ったりしており、この調整がライティングの一つの鍵になると思います。その点、CBT(オンラインで受けられる英検)では字数カウント機能があるので、いちいち単語数を数えなくて済み、時間の節約にもなりますね。
英検準2級は高校在学中の内容が試験範囲ですが、この英作文で使用しているのは中3までに習う文法です。特に不定詞、関係代名詞、第5文型は積極的に使ってみましょう。
・大文字小文字・スペルミスには気を付けてください。
・固有名詞にはtheが付かないことに気を付けてください。
・a/anやthe, 複数形のs, 三単現のs忘れが無いか気を付けましょう。
・綴りに自信が無ければ、簡単な単語でもいいので別の単語を使いましょう。
・指定されている単語数に収まるように文章を調整しましょう。
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