英検のライティング問題は、これ!という絶対的な模範回答がありません。
どの程度答えられれば点数がもらえるのか、分かりにくいセクションです。
今回は、一つの区切りでもある英検2級のライティングの解き方を一緒に見ていきましょう。ライティングの書き方の基本を押さえることで、英語のエッセイ・小論文へ応用することができます。
英検の別の級のライティング対策はこちら!
今回は英検2級の2020年第2回のテスト問題を題材にしていきます。
1、QUESTIONを理解し、それに対する答えを考える
(若者はもっと将来のキャリアについて考えることに時間を割くべきだという人もいますが、あなたはこの意見に賛成ですか?)
まず文の意味が分かるかどうかが第一関門です。
英検2級の合格を取りに行くレベルの方にとっては、難しい文ではないように思います。万一この文章の意味が取れない場合は、語彙力が英検2級レベルに達していないと考えられますので、まずは単語帳を使って、英検2級範囲の単語の勉強を覚えていきましょう。
王道とも言えるでる順パス単がオススメですが、もし高校で大学受験用の英単語帳(1500~2000単語のもの)を購入済みであれば、そちらを使用しても問題ありません。
共通テストで7~8割の点数を取れる英語力があれば、英検2級合格が狙えます。ただし、共通テストは文法・語彙を問う問題が無くなってしまったため、何となくで長文を読めてしまう人は、英検に向けた対策が必要になるでしょう。
ライティングの書き出しは、問題文にもある通り、「あなたの意見」から始めます。
つまり、若者が将来についてもっと考える時間を取るべきかどうかですね。
×It depends on a family and their environment.
(それは家族と環境に寄ります。)
設問者はそういうことを聞いているんじゃないんです…。
英作文では曖昧な答えは低評価を受けます。必ずYesなのかNoなのかはっきりしましょう。
「あなたの意見」は、高得点を狙うのであれば設問文とほぼ同じ意味の言い換え文を考えてみましょう。ここで扱う文は最初と最後に2回使います。それぞれ別表現を書くのがベストですが、制限時間や単語数制限を考慮して、1回目は I agree./ I disagree.と簡単に答えても構いません。
そして、最後に具体的で長めの言い換え文を持ってくると、単語数のバランスもとりやすいです。
〇Yes, I agree with this idea.(1回目)
◎Yes, I’m all for it. (1回目)
◎Yes, I think the young generation should use their time more for considering their future.
◎Yes, I believe it’s not enough for teenagers these days to think about their future plans.
〇No, I disagree with this opinion. (1回目)
〇No, I’m against it. (1回目)
◎No, I think that young people waste their time thinking about their future.
◎No, I don’t believe that the young generation needs to spend more time thinking about their future experiences.
・opinion → idea と言い換えることができます
・I agree. → I’m (all) for it. I disagree. → I’m against it. という別表現があります。
・young people → the young generation(若い世代)
もし10代に絞るのであれば、teenagersという表現も使えます。
・thinkの強意語としてbelieveを使用できます。
→guessも「だと思う」という意味ですが、thinkより「曖昧さ」が強くなり、
エッセイなど自分の主張をアピールしたい場面では適切とは言えません。
・反対意見の場合、「時間を費やす」ことを「時間を無駄にする」としてもよいでしょう。
・future career(将来のキャリア)のことを、future plan(将来の計画)としても良いですし、
experience(経験)という言い回しもできると思います。
・should(~べき)をneed to(~する必要がある)としても良いと思います。
対応していないと0点になることがあるので気をつけてください。また、最初の自分の意見と食い違いやブレがないように注意してください。
・Education (教育)
・Income (収入)
・Skills (スキル・技能)
・職業の幅が昔と比べて広がったから
・グローバル化し、時代の流れがますます早くなっているから
・技術向上や分野の細分化により、学習すべき内容が増え、
より早期に専門的な勉強を開始する必要が出てきているから
・技能の習熟度と収入に相関関係があるから
・フリーター・非正規雇用の若者が増え、社会会問題になっているから
・終身雇用制度が崩壊し、就職後も常に将来のプランを考える必要がある時代だから
・途中で進路を変更して成功することは困難が伴うから
・与えられたレールを歩む人生のスタイルは古いと考えられているから
・pro gamer や Youtuber のような教育に依存しない新たな職業が誕生し、
誰でも有名になったり収入を得るのが容易な世の中になったから
・日本は十分な生活保障のシステムが構築されているから
・不確実な将来よりも、今を楽しむことが大事だから
・近年は人材不足で、選ばなければ仕事は沢山あるから
・近年の若者は、学業や部活動、アルバイトで十分に忙しいから
・将来のための詳細な情報が用意されているから自分で1から調べる必要がない
・何が将来役に立つか分からないから今目の前にあることに専念するべき
自分の語彙力も考えて、適切に主張できそうなものを選びましょう。
3、1つの理由につき、理由と補足情報の合計2~3文を作る。
2級のライティングでも準2級と同様に、理由を書いた後により説得力を持たせる押しの1~2文を付け加えます。大体の英検対策サイトでは「For example,(例えば)」を続けなさいとありますが、一般論や研究、個人的な体験など、人に「なるほど」と思わせる文なら、なんでもOKです。コツは、理由文に対して「何でそう思うの?」と自分に問いかけることです。
「なんでそう思うの?」
→世界中で日々色々な技術革新や問題が起こっており、馬車が自動車になり、電気自動車になるように、昨日まで役に立っていたもの需要が明日なくなることがある。将来のキャリアを考える上で、世界市場が何を求めているかに関心を向けて時間を割くことは大切だ。
「なるほどー」・技能の習熟度と収入に相関関係があるから
「なんでそう思うの?」
→一般的に、医者や弁護士など、高度な知識と技能を習得するには膨大な時間が掛かり、人々はそれに対して賃金を払っている。どの技能に特化するかを若い頃から考えて準備しておいた方が有利で、将来安定して暮らせる確率が高い。
「なるほどー」
◎As globalization progresses, the times are moving faster.
(グローバル化が進むにつれて、時代の流れが早くなっている。)
There’re many technological innovations happening around the world every day.
(世界中で日々色々な技術革新が起こっている。)
It’s important to pay attention to global demand because what was useful yesterday may not be tomorrow.
(昨日まで役に立っていたもの需要が明日なくなることがあるため、世界需要に関心を向けることは大切だ。)【35語】
◎Skills and income are related.
(技能と収入には関係があります。)
Generally, it takes time to acquire advanced knowledge and skills and people are paid for it.
(一般的に、高度な知識とスキルを身に付けるには時間が掛かり、人々はそれに対してお金を貰っています。)
It’s advantageous to think about which skills you will specialize in and prepare for them from a young age.
(若い頃からどの技能に特化するかを考え、それに対して準備をすることは有利です。)【40語】
単語数は、5+35+35+20=95くらいを目安にしたいですね。
理由1つに対して、多くても40語くらいまでで収まるように調整しましょう。
3、テンプレートにあてはめて、指定された単語数内で文をまとめる。 最初に述べた通り、英検2級のライティングの構成は以下の通りです。
前後を繋げるテンプレートを当てはめてみましょう。
①I agree. または I disagree.
②Firstly(第一に), [理由①]と[補足①]
③Secondly(第二に), [理由②]と[補足②]
④Therefore(したがって), [自分の意見(再度)]
※単語数に余裕があれば、①は[自分の意見] for two reasons(二つの理由で).にしてみましょう。
→単語数が逼迫している場合は、for two reasons は省略して構いません。
→単語数が逼迫している場合は、I think を書かなくても構いません。
※[自分の意見(再度)]では、I think so./ I don’t think so.は使わないでください。
Yes, I agree with this idea.
Firstly, the times are moving faster and faster. Many technological innovations happening around the world every single day. It’s important to pay attention to global demand because what was useful yesterday may not be tomorrow. The same goes for your career.
Secondly, Skills and income are related. Generally, it takes time to acquire advanced knowledge and skills and people are paid for it. It’s advantageous to think about which skills you specialize in and prepare for them from a young age.
Therefore, the young generation should take more time to consider their future career.
【 100 words】
(はい、私はそのアイデアに賛成です。
第一に、時代の流れはますます早くなっています。沢山の技術革新が日々世界中で起こっています。昨日まで役に立っていたもの需要が明日なくなることがあるため、世界需要に関心を向けることは大切です。キャリアに対しても同様のことが言えます。
第二に、技術と収入には関係があります。一般的に、高度な知識とスキルを身に付けるには時間が掛かり、人々はそれに対してお金を貰っています。若い頃からどの技能に特化するかを考え、それに対して準備をすることは有利です。
ゆえに、若い世代はもっと将来のキャリアについて考える時間を持つべきです。)
No, I disagree.
Firstly, information is very accessible. Depending on your personality and skills, there is a list of professions that are suitable for you, and various universities and schools offer programs. You can just take one to shorten your searching time.
Secondly, Japan has a well-developed system of livelihood security. If you fail in your career and lose your job, with proper support from the government, you will not starve or lose your place to live. You can restart your career safely.
Therefore, young people shouldn’t waste their time anymore thinking or looking for their future without any actions.【100 words】
(いいえ、私は反対です。
第一に、情報は非常に手に入りやすいです。自分の性格やスキルに応じて、自分に向いている職業のリストが調べられ、色々な大学や学校がプログラムを提供しています。その中から一つを選べば、検索時間を短縮することができます。
2つ目は、日本は生活保障の制度が充実しています。万が一、キャリアに失敗して職を失っても、国からの適切な支援があれば、飢えや住む場所を失うことはありません。安心して再スタートを切ることができます。
ゆえに、若者はこれ以上何も行動を起こさずに自分の将来を考えたり探したりして、時間を無駄にするべきではありません。)
どちらも単語数上限100語に収まるように、最初の文から内容を変更したり削ったりしているため、本来の自然な英語表現からやや逸れてしまっているものもあると思いますが、この調整がライティングの一つの鍵になると思います。CBT(オンラインで受けられる英検)では字数カウント機能があるので、いちいち単語数を数えなくて済み、時間の節約にもなりますね。
筆者は英検2級のライティングはほぼ満点で合格しているので、書くべき文量と内容の目安になれば幸いです。実際にはここまで内容や語彙に踏み込めなくても、合格ラインは十分突破できると思いますので安心してください。
英検2級は高校卒業程度の内容が試験範囲ですので、普段から英文に触れたり、英作文の練習をして慣れておきましょう。大学受験で問われるような単語やイディオムは積極的に使っていきましょう。
・大文字小文字・スペルミスには気を付けてください。
・固有名詞にはtheが付かないことに気を付けてください。
・a/anやthe, 複数形のs, 三単現のs忘れが無いか気を付けましょう。
・綴りに自信が無ければ、簡単な単語でもいいので別の単語を使いましょう。
・指定されている単語数に収まるように文章を調整しましょう。
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