故人の誕生日パーティ⁉法事文化の違い

フィリピン文化

「法事」という言葉がそもそも日本特有のものですが、海外で法事に相当する言葉は「memorial service」です。以前、フィリピンのお葬式やお墓についての記事をご紹介しましたが、今回はその後のお話。

日本では一周忌や三周忌と言ったように、一定の年周期で繰り返し故人を偲び追悼をしますね。
フィリピンでも同様の文化がありますが、少し日本とは印象が異なります。

フィリピンでは、亡くなった人の誕生日を祝うのは、珍しいことではありません。昨夜は、親戚一同と友人が集い、昨年(2017年)6月1日に亡くなった、家内の叔父の誕生日パーティに出席しました。

ネグロス島 永住日記より

こちらのブログでも紹介されている通り、フィリピンではなんと故人の誕生日を祝うことがあります。誕生日ケーキや食べ物を準備し、親戚や友人一同で祝う姿は普通の誕生日会と何ら変わりません。最初の年のみ祝う場合もあれば、毎年祝う場合もあり、財政状況や土地風習、故人への思いによって様々かと思われます。


こういった故人へのケーキを「in loving memory cakes」「memorial cakes」と言います。
ケーキの表面にチョコペンで故人へのメッセージが書かれているものが多く、花や十字架と言った天国をイメージさせるようなモチーフの装飾が好んで使われますね。

「Anniversary」という単語は、日本ではもっぱら「〇周年記念」などお祝い事に使われ「ハレ」のイメージがありますが、英語では「〇周忌」の意味としても使われます。フィリピンでは、故人の誕生日も命日も両方お祝いの日として認識されています。家でパーティをしたり、ビーチに行ってBBQをしたりと、日本の喪のイメージとはかなり異なります。

お供え物への認識の違い


「お供え物」は英語で「Offerings」と言います。フィリピンでも「仏壇」に相当する「Altar」(=キリスト教の祭壇、供物台)にお供え物を置きますが、お供え物を後で私たちが頂くことはしません。
お供え物を飲食すると縁起が悪いとされており、基本的にはお供えが終わると廃棄されます。
日本では頂くことで供養になるとされているので、真逆ですね。

ただやはり、これを勿体ないと思う人も多く、せめて有効に活用しようということで、野良犬にあげたり植物の堆肥にしたりする人も多いようですよ。

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