初心者が毎日2時間英会話してみた【どれくらい伸びる?】

英語学習

今回は、英語初学者の方が気になっていると思われる「初心者はどのくらい英語を勉強すれば英会話ができるようになるのか?」について、営業トーク一切なしで(苦笑) 実際に現在進行形の事例をお話しようと思います。

学習者の英語レベルと背景

【学習者】
日本人大学生で、今年の5月から中学英語を1からやり直し中です。(現在学習2か月目)

【英語レベル】
本当に全くのところからのスタートで、中学1年生レベルから復習をしています。
ゆっくり考えながら、文を作ろうとするけれども、be動詞と一般動詞を混ぜて話してしまったり、品詞の区別もあいまいです。文法がおかしいために相手に意味が伝わらないことがあり、指導側の推測力がいつも試されています。2ヵ月間で中学2年生の不定詞までの学習が終わりました。

【学習方法(オフライン)】
毎日約1時間、市販の英語入門テキストを使って英文法の学習

【学習方法(オンライン)】
毎日約2時間、テキストを使った学習が終わった後、オンラインで外国人らと配信交流し、分からなかった箇所を質問したり、習った英文法を使って、日常のことを話したりします。
外国人に文法や単語の間違いを指摘してもらい、自然な言い方を教わっています。

【講師役となる外国人たち】
無料の配信アプリなので、ランダムに色々な人が来ます。よく来るのは、

▶中国系マレーシア人の男子高生
綺麗なブリティッシュアクセント。日本語もある程度わかります。
▶筆者(日本人)
8割ほど英語で参加、2割はマレーシア人が説明しきれない部分の日本語の助っ人。
▶マレーシア人の女子大生
声がカワイイので学習者君のモチベーションアップ要員。
▶韓国人男性
東京でお仕事しているそうで、日本語、韓国語、英語が不自由なく話せます。
▶タイ人女子大生
日本語を勉強したい子で、英語はちょっと苦手。ボキャブラリーがやや弱いです。

時々来られるのが、

▶オハイオ州のアメリカ人女性
スラングをバリバリ使ってくるロックな20代の女の子。若干空気が読めません。
▶日本人の男子大学生
留学経験があり、綺麗なアメリカンイングリッシュを話します。発音指導が得意。
▶香港の女の子
日本はやや不自然ですがとてもよく喋ります。私の話をしたい!というタイプの子。
▶オーストラリア人男性
ベトナムとのハーフで、両カ国語できます。日本語は勉強中とのこと。

その他にもロシア、インドネシア、フィリピン、ニュージーランドなど、色々な人が来ます。

彼の学習方法の良い点

●毎日継続してインプット→アウトプットの順で学習していること。
1日だいたい約3時間英語の勉強を毎日していることになるので中々の勉強量です。また、テキストを先に学習してから外国人との交流に臨むことで、ある種の予習になります。習った表現をすぐに実践で試し、疑問点もすぐに解消することができるので、この点はとてもやり方が上手いなと感心するところです。

●能動的な学習ができていること。
相手はオンライン英会話の先生ではないので、受け身な姿勢では2時間も会話が続きません。
自分から話題を提供したり、質問をしたり、能動的なアクションが常に必要になります。

●夜勉強していること。
寝る1時間前は、記憶学習のゴールデンアワーだと言われています。
寝る前に能動的な学習をすることで、記憶が鮮明な状態で、睡眠中、脳がその記憶を知識として定着させようとします。私自身もその日会話した内容を夢で見ることがあるくらいなので、寝る直前の勉強はオススメですよ。

彼の学習方法の良くない点

●使用している市販テキストの質がよくない
市販の入門書だそうですが、いわゆる「文法的には合ってるけど普通そんな言い方しない」例文が多く載っている類のテキストのようです。英会話のテキストであれば、評価の高いもの、ネイティブの監修やチェックが入っているものを購入された方が良いでしょう。オンライン辞書で出てくる例文も、変なものが割と混じっているので注意が必要です。

 


…という訳で、筆者が指導者側の立場で彼の成長を2か月間見守ってきた感想をお話します。

2ヵ月でどのくらい伸びたか?


【リスニング】
特筆して上達したと言えるのは、リスニングスキルです。
毎日2時間欠かさず生の英語を聞いているので、本人が気づいているかは不明ですが、英語の問いかけに対する反応スピードが目に見えて上がっています。また、各参加者の口癖(Honestly, Basically, I mean, How can I say などfillersと呼ばれるもの)を真似て使ったり、という進歩が見られます。

最初の1か月は参加している外国人も彼の英語レベルに合わせて、ゆっくり簡単な英語で「褒めて伸ばす」の方針でコミュニケーションを取っていましたが、「手加減した英語を続けていたら彼の成長の足かせになる」ということで、最近、高校生君はわざとマレーシア訛り強めの英語を話したり、意図的に普通のスピードと普段自分が使う語彙レベルで話すようにしており、リスニング負荷を高めています。

医療の話から観光の話まで何でもするのでトピックの内容にかなり左右されますが、一般的なトピック(専門用語や背景知識が必要ないもの)については、高校生君(=英語ネイティブ)のノーマルスピードの会話の内容を50%くらいの確率で正しく要約をできるようになっています。
本人も「6割くらいは分かったと思う」ということがあり、たった二カ月でこれはものすごい進歩だと思います。

【文法】
文法力も徐々に伸びているものの、分詞や現在完了、関係詞と言った日常英会話で頻発する用法の学習がまだ済んでいないので、依然理解できる範囲には制限があり、現状これが一番のボトクネックとなっています。ただし、今のペースであともう2か月ほど学習を継続すれば中学生内容も一通り学習が終わり、このあたりの問題はかなり解消されるだろうと予測しています。

【語彙力】
単語については、学校の教科書に載っているような単語よりも、実践的な英会話の中で学んだ表現の定着の方が強くなっています。例えば、子猫のことをkitten、虫歯のことをtooth decay、流暢にという意味のfluentlyなどは、本来ならば高校生レベル以上の単語ですが、外国人と交流する中でよく出てくる単語や、身の回りのことに関する語彙が積極的に増えているな、という印象を受けています。

【スピーキング】
スピーキング力については、今のところまだ著しい変化はみられていません。
文法力と単語力の向上を待つ形になるとは思いますが、何かを発言をするとき、頭の中で日本語を考えてそれを英訳しながら発しているという印象があり、そのため、単語を一つ一つ区切ったような言い方になることが多いです。もっと場数が必要な部分ではありますが、リスニングの項でお伝えした通り、参加者の口癖を真似て「おおすごい」と皆を驚かすことがあります。

英語初心者が英語でコミュニケーション可能かどうか

全ての人とは言いませんが、アメリカ人やイギリス人などネイティブとの会話では、相手が日本語をある程度知っていないと正直厳しい部分があります。しかし、ノンネイティブとの会話、日本語を勉強している外国人との会話であれば、英語初心者でも十分交流が可能です。

例えば、こんな会話がありました。

日本人学習者:”Here, is, a, dog.” This sentence, OK? Correct?
(『ここに、犬が、います。』この文OK?合ってる?)マレーシア人高校生:No, that’s so weird. It sounds like the dog is dying.
(違う、すげー変。その犬死にかけてるみたいに聞こえる。)

日本人学習者:No? It is not correct?
(ダメ?合ってないの?)

マレーシア人高校生:ヘン。その犬は、死んでる、みたいだ(笑)

この頃マレーシア人高校生は面白がって”dying”を頻発して使っていたので、配信参加者からすると「またdyingか(笑)」という場面なんですが、いずれにせよ第二言語を学ぶことを経験しているからか、あるいはアジア人同士だからか、カタコトで話しても、とても親切に理解しようとしてくれる人が多いです。

初心者がある程度話せるようになるにはどのくらいの期間が必要か?

今回ご紹介した大学生と同じレベル、同じ学習量でと考えると、個人的には3~4か月で中学内容の勉強を終え、そのあとボキャブラリーやスピーキングスキルの強化に重点を置くことで、9カ月ほどあれば、自分の意志表示がある程度できるレベルに到達するのではないかと思っています。

もちろん、本人からすれば、まだまだ言いたいことが出てこなくて歯がゆいレベルですが、「自分の意志を伝えられる」「どの部分が分からないのかを伝えられる」と、英語のコミュニケーションによって「欲しい情報が得られる」ようになります。

ただ、マレーシア人高校生君は「本気で打ち込むなら5カ月あれば十分、それ以上は時間を掛け過ぎ」と言っていました。彼のスパルタ指導に期待しましょう。

他人と英語で話すことの大切さ

英語はあくまでもコミュニケーションのためのツールに過ぎないので、会話の中で何を知りえたのかという体験がものすごく重要になってきます。

例えば、この日本人学習者の大学生は、最近私がワーキングホリデーについての話をしたことで、それに興味を持って少し調べてみたようです。私自身も他の参加者との交流がなければ、マレーシアについて首都クアラルンプール以上の情報を得ることはなかったですし、中国のスラングを教えてもらうこともなかったと思います。

このような相互作用を通じて、自分自身がより豊かになれるのが、英会話の素晴らしいところですね。「自分はまだ全然話せないから、英会話なんてとても…」なんて思わずに、ぜひ勇気を振り絞ってチャレンジしてもらえたらいいなと思います。

 

ちなみに彼の成長の様子は、当校Twitterアカウントでも『実践英会話』と題して、時々投稿しています。よかったらフォローして彼を陰から応援してくださいね。

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