昨夜は「お月見」でしたね。満月は見えましたでしょうか?
今回は、同じ時期で混同しやすい「お月見」「中秋月」「秋分の日」にスポットを当てて、それぞれの行事の背景や関連する英単語を学んでいきたいと思います。
お月見(Tsukimi / moon viewing)
お月見は旧暦8月15日の「十五夜」のこと、この夜の月は「中秋の名月」と呼ばれ、今年は2013年以来8年ぶりに満月となりました。英語ではTsukimiとそのまま表記したり、moon viewingやmoon viewing festivalなどと英訳されることが多いようです。
因みに英語圏で秋(9月~11月頃)の満月はHarvest MoonやHunter’s moonとも呼ばれており、赤い月として認識されています。ハロウィーンの雰囲気にピッタリですね。
お月見と言えば「ススキ」と「お月見団子」ですね。
ススキは英語でsilver grassと言います。お月見団子はTsukimi dangoそのままで大丈夫ですが、日本文化に詳しくない方には伝わらないので、mochi ballやrice cake ballのような表現をした方がどういうものかイメージしてもらえると思います。
中秋節(Mid-Autumn Festival)
さて、中華圏(東アジア)では、旧暦8月15日は「中秋節」と呼ばれており、英語ではMid-Autumn Festivalと言います。中秋節は家族や親戚が集まる日として知られており、現代では贈呈物として定着している月餅(mooncake)を食べるのが定番です。
月餅には色々なバリエーションがありますが、薄い生地の中にはハスの種の餡(lotus seed paste)または小豆餡(red bean paste)がたっぷり入っており、その中に塩漬けされたアヒルの卵黄(salted yolk)が入っています。
ということで、お月見と中秋節は月にちなんだ行事で、基本的には同じ日のことを表すことが分かりました。それでは秋分の日はどうでしょうか?
秋分の日(Autumnal Equinox Day)
「秋分の日」は英語ではAutumnal Equinox Dayと言います。
季節によって、「日が短くなる」「日が長くなる」という言い方をしますね。Equinoxとは「昼と夜の長さがほぼ等しくなる時」のことで、太陽は真東から登り、真西に沈みます。つまり、秋分の日とは、「秋に昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなる日」のことを言います。これからの季節、冬至に向かってだんだんと日が短くなっていきます。
日本ではこの秋分の日は「祖先をうやまい、亡くなった人をしのぶ」日=「お彼岸」として、お墓参りが定着していますが、なぜでしょうか?
調べてみると、浄土宗による浄土思想では極楽浄土(=あの世)は真西にあるという考えがあり、真西に日が沈む「春分の日」「秋分の日」はあの世と最も通じやすい日として考えられたようです。
お彼岸のお供え物としては、お萩やぼた餅が定番です。英語でどちらもそのままOhagi, Botamochiで構いませんが、知らない方のためにSweet sticky rice ballなどイメージしやすい英語の説明があると親切ですね。
ちなみにこの頃見ごろを迎える「彼岸花」は英語でLycoris(リコリス)やred spider lilyなどと言います。彼岸花の綺麗なスポットは日本全国にあるので、自分の住んでいる近くのエリアを調べて、外国人の友人に紹介してみましょう!