英語を学習していてこんな悩みはありませんか?
●テキストは分かっても、実際の英会話が聞き取れるか不安…
●受験英語と英会話は全く違う…
本日は、私とネイティブの友人の『リアルな英会話』を題材にして、どのような英文法や単語表現が使われているのかを見ていこうと思います。※リアルな英会話(今回はチャット)では、厳密には文法間違いだったり、主語の省略表現がかなり入ってきますが、それも含めて解説します。
猫が逃げた話
友人Yの家は、元野良猫のカカオ(Cacao♂)を飼っています。最近引っ越ししましたが、新居に猫を連れていく予定は今のところなく、以前の家にカカオを残してエサや水をあげに頻繁に通うという、少し面倒な飼い方をしています。私の家には、元野良猫の小太郎(Kota♂)がいます。
Cacao ran out of house
(カカオが家から逃げた)
Our neighbour saw him outside
(近所の人がカカオを外で見たって)
whaaat
(ええーー)
Cacao ran out of house
run out of ~には2つの意味があり、どちらも重要です。
①(燃料やお金など)を使い果たす
②(人や動物が)[場所]から走って出る
ここでは②の意味で、カカオが脱走してしまったことを表しています。
houseは、正しくはthe houseとなりますが、このチャットでは冠詞が省略されています。
What!?//he is not there?
He is not there?のように、『肯定文の語順+?』で、疑問文を作ることも短文では良くあります。there(あそこ) = at Cacao’s house(カカオを飼っている家)です。
Our neighbour saw him outside
イギリス英語圏ではneighbour、アメリカ英語圏ではneighborとつづります。
sawはsee(見る)の過去形ですね。him=Cacaoです。動物を代名詞にする時はitを使うと学校で習いますが、ペットのような親しみのある動物については性別でhe/sheを使い分けます。
中学1年生~2年生レベルの英語を使って会話している、ということになります。
Didn’t went to see him yesterday
ahh, kota also does it sometimes
(ああー、コタもそれ時々やる)
But kota will run back
kota just leaves a window open and look outside
maybe he is afraid
(コタはただ窓を開けて外を見てるだけ)
(多分怖いんだと思う)
Didn’t went to see him yesterday
主語[we]が省略されていて、いきなりdidn’tから始まっています。
このように主語を省略するやり方は、英語のタメ口チャットではよくあることです。
to seeの部分は不定詞の副詞的用法で「会いに/会うために」と行動の目的を表しています。
He went out from roof upstairs
He=Cacaoですね。go out(外に出る)の過去形でwent out
from the roofが正しい英語ですが、先ほど同様 the が抜け落ちています。
upstairsは『二階』『上階』を表す副詞です。
the roof upstairs(二階の屋根)
people here(ここにいる人々) のように
副詞(場所、方向、時など)は名詞を後置修飾することができることも知っておくと良いでしょう。
I mean window//He opened a damn window
I mean(つまり)は、英会話ではよく出てくる表現で、補足説明したり、言い直したりするときに使います。先ほどの「屋根から出た」という表現が分かりにくいと思い、窓を開けて脱走したと補足説明しています。
damn(くそ、畜生、いまいましい)
スラングで、英語の教科書ではまず出てきません、が、映画や英会話ではよく聞く表現です。男言葉で「くそ暑い」の「くそ」に近く、不満や苛立ちを表し、後ろに続く単語を強調したり罵倒する意味合いがあります。相当する日本語訳がありませんが、カカオ脱走の原因となった窓に対して「あの窓野郎」のような罵りを含ませているということです。
ahh, kota also does it sometimes
頻度の副詞の位置は、今回のような一般動詞の文であれば通常動詞の前(alsoの場所)に入ってきますが、sometimesは文頭や文末にも使えます。ここでは「コタも」ということを強調したかったため、alsoが先に入り、sometimesが文末位置に来ています。does it = opens a windowです。
But kota will run back//Cacao is cacao//A literal dog cat
run out(走り出ていく)の反対で、run back(走り戻る)です。
ここで使われているwillは、未来の意味ではありません。というのも、前文で「コタも時々窓を開ける」という習慣について話しており、それを受けた返答なので、willの意味の一つである習慣の意味「よく~する」「(特徴として)~する」が適用されます。
willには未来のほかに意志の意味がありましたね。出て行った後に家に戻ってくる意志がある=そういう習性や習慣を持つ、というように考えると分かりやすいのではないでしょうか。
(Cacao is) a literal dog cat では、literal(文字通りの)犬のようなネコってどんなだ?となりますが、ネコの気ままでいつも寝てるようなイメージではなく、活発で好奇心旺盛ということを言いたいのだと思います。
kota just leaves a window open and looks outside//maybe he is afraid
leave A B (AをBの状態にしておく)は典型的な第五文型の文法です。
A= a window, B=open が入ってきます。
知らなかった表現はチェックしておくと良いと思います。
I actually dreamt about Cacao getting sick today
Then now he ran outside lmao
If he gone then he gone
Can’t help
(実は今日カカオが病気になる夢を見たんだ)
(で、今カカオ脱走しちゃったし笑)
(もし行っちゃったんなら行っちゃったんだろう)
(仕方がない)
how about putting food at the garage?
he might come back
(ガレージにエサを置いといたらどう?)
(戻ってくるかも)
Dk if he’s actually gone or not
I actually dreamt about Cacao getting sick today
actuallyは「実は」や「ぶっちゃけ」と言う意味で、英会話でよく使う挿入語です。
動詞dream(夢を見る)の過去形は、イギリス英語ではdreamt, アメリカ英語ではdreamedで綴りが異なります。dream about ~で「~を夢に見る。」aboutの後ろは名詞か動名詞(ing形)になるため、gettingになっています。この動名詞の意味上の主語が文全体の主語と異なる場合、(ここでは病気になった(getting sick)のは、文の主語のI(私)ではないので異なりますね) その意味上の主語(ここではCacao)は目的格または所有格の形で、動名詞(ing形)の前に挿入されます。
Then now he ran outside lmao
nowと過去形が一緒に使われていて変な感じがしますね。時制を合わすなら、現在完了形has runにするべきところです。Lmaoはチャットでよく使われる表現で、laughing my ass offの頭文字をとり(爆笑)の意味になります。ここでは「マジかよ」「もう笑うしかない」という状況、嘲笑や自虐感を伝えています。
If he gone then he gone//Can’t help
if~, then ~.で、『もし~なら、その時は~である。』という意味になります。
正しくは、If he has gone, then he has gone.ですね。goの完了形 goneを使うと、「行ってしまった」と言うよりは「もう行ってしまって今ここにはいない」という意味になります。
I can’t help (it).は便利な表現で、何かをコントロールできない状況で使います。『我慢できない』『どうしようもない』という日本語が相当するほか、高校文法で比較的よく出てくる表現 I can’t help doing ~『~せずにはいられない』もあります。合わせて覚えておきたいですね。
how about putting food at the garage?//he might come back
how about ~ingで『~してはどうか?』と提案する表現です。『ガレージに』は、ガレージというエリアの中にということで、本来はinの方が使う前置詞としてはベターです。
『~かもしれない』という表現は、助動詞のmightを使うのが自然な言い方です。mightはmayの過去形ですが、過去の意味合いはありません。mayもmightも同じように『~かもしれない』の意味で使えますが、mayの方がポジティブな印象が強く、実現可能性50%、一方でmightは30%くらい、と言われています。伝えたいニュアンスによって使い分けると良いと思います。
Dk if he’s actually gone or not//Haven’t went there//Hopefully he’s there
dk = don’t knowで、チャットではこのように頭文字だけを取ることがあります。主語のIはここでは省略されています。このifは「もし~」ではなく「~か(どうか)」と言う意味で、whetherと同じ意味です。後ろにor notが付いていれば『~かどうか』と訳すので、手掛かりになります。
he’sはhe isの短縮形です。
Our window is closed//Wonder how he figured out how to open
普通、家に窓は複数あるので、Our windows are closed.とした方が自然だと思います。
I wonder how~は「どうやって~する/したんだろう」と考える時に使う便利な表現です。how(どうやって)以外にも色々な疑問詞を入れることができ、一般的にはwhy(どうして)が入っているのを聞いたり見たりすることが多いと思います。ここでは主語のIが省略されています。
figure outは『考えて答えや解決策を導き出す』という意味でsolve(解く)やunderstand(理解する)に似た意味があります。英語圏で結構聞くことが多い熟語です。
how to~は『~の仕方』ですね。ハウツー本とか言うのもここから来ています。
Good boy
(よしよーし、お利口さん)
Lmao
He is a dog
Wat u expect
(爆笑)
(カカオは犬だし)
(当たり前じゃん)
Cacao didn’t run
一見シンプルな文ですが、runには「逃げる」という意味もあるので押さえておきましょう。
He was under a car in neighbour
この文は間違っています。最初の方でneighborはご近所さん(人)と言う意味だと言いましたが、ここではinを使っており、ご近所さんの敷地のことを言いたいのだと分かりますので、この場合、正しくはneighborhoodを使います。He was under a car in the neighborhood.などが良いでしょう。