ITパークはかつて何だった?セブ島に残る戦争の記憶【神風特攻隊】

フィリピン文化

セブ島と聞くと、青い海やリゾート、ショッピングモール、そして語学留学を思い浮かべる方が多いかもしれません。

私自身もセブ島で生活する中で、観光地を訪れたり、リゾートで贅沢な時間を過ごしたり、モールで買い物や食事をしたりと、日々を楽しんでいます。

そんなある日、セブ島の歴史について調べていると、驚くべき事実を知りました。

本気イングリッシュの学校から徒歩20分ほどの場所にあるITパークには、かつて日本海軍の基地があったのです。

そして、この場所は第二次世界大戦中、神風特攻隊が出撃した場所の一つでもありました。

あまり知られていない神風特攻隊の記録

神風特攻が初めて実戦に投入されたのは、第二次世界大戦末期のフィリピン戦線でした。

そして、セブ島にも日本海軍の航空基地が置かれ、特攻機がここから出撃しています。

「神風特攻隊」という言葉を聞いたことがある方は多いかもしれません。

戦闘機に爆弾を搭載し、敵艦に機体ごと突入するという、帰還を前提としない作戦です。

現在の私たちには想像することさえ難しいほど、過酷な任務でした。

そして、その出撃地の一つが、現在のITパークがある場所だったのです。

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特攻第ゼロ号の男

神風特攻隊の第一号として広く知られているのが、敷島隊の関行男大尉です。

しかし、セブ島には、もう一人の特攻隊員にまつわる記録が残されています。

それが、久納好孚中尉です。

記録によると、久納中尉は関大尉より4日前にセブ基地から出撃し、そのまま未帰還となりました。

このことから、久納中尉は「ゼロ号の男」と呼ばれています。

関大尉が「特攻第一号」として広く知られる一方で、その数日前にセブから飛び立ち、帰ってこなかった若者がいた。

この事実を知る人は、決して多くないのではないでしょうか。

私自身もセブに来て、歴史に興味をもって調べなければ、決して知ることはなかったと思います。

滑走路に残る想い

特攻隊員たちは、どんなことを考えていたのでしょうか。

家族のこと。

故郷のこと。

これまでの人生のこと。

そして、自分がこれから向かう場所のこと。

私たちは、その心の中を正確に知ることはできません。

だから、彼らを単純に「英雄」や「犠牲者」という一つの言葉で語ることはできません。

でもきっと、いつか平和が訪れることを願っていたと思います。

ITパークにあるまっすぐな道は、かつての滑走路。

彼らが平和を祈り、飛び立った場所です。

セブ観音が見つめる、かつての戦場

セブ島には、戦争によって命を失った人々を慰霊する場所も残されています。

その一つが、セブ観音です。

セブ観音が建立された場所は、戦時中、セブが米軍の空襲を受けた際に迎撃に飛び立った零戦の一機が撃墜され、墜落した地点とされています。

セブ観音が見つめる先にITパークがあります。

今のITパークからは、想像もできない光景

今、ITパークを歩いていると、そこが戦争の舞台だったとは全く感じません。

仕事仲間と笑いながら歩く若者。

カフェでコーヒーを飲む高齢の外国人。

レストランで食事をする子連れの家族。

カラオケを楽しむ学生。

そんな何気ない日常が広がっています。

けれど、かつてこの場所から、まだ20歳くらいの若者たちが戦場へ向かって飛び立っていました。

彼らにも家族がいました。

帰りを待つ父母や兄弟姉妹、妻や子どもがいました。

戦争という歴史の中にいたのは、「兵士」という存在ではありません。

一人ひとりに名前があり、それぞれの人生がありました。

今の私たちと同じように、笑ったり、悩んだり、大切な人を思ったりする一人の人間だったはずです。

それを考えると、現在のITパークの平和な光景が、より特別なものに感じられます。

8月15日、セブ島から平和について考える

8月15日は、日本にとって終戦の日です。

日本から遠く離れたフィリピン・セブ島にも、第二次世界大戦の記憶が残っています。

私たちは普段、歴史を教科書や博物館の中の出来事として捉えがちです。

でも、実際にその土地で暮らしてみると、歴史はもっと身近なものだと気づかされます。

今、自分が立っている場所にも、かつて誰かが生きていて、その人たちが経験したことが、今の私たちの暮らしにつながっています。

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歴史を知ることは、過去に戻ることではない

日本には、そしてフィリピンには、戦争という過去があります。

だからこそ、日本人がセブ島を訪れたときには、観光地だけではなく、この土地が歩んできた歴史にも少し目を向けてみてほしいと思います。

歴史を知ることは、過去に戻ることではありません。

過去に何があったのかを知り、そこから何を学び、これからどう生きていくのかを考えることです。

未来のために、歴史を知る必要があるのだと考えます。

平和な街を歩ける今日という日が、決して当たり前ではないと改めて感じることができれば、留学生活もよりキラキラと輝き、充実したものになるのではないでしょうか。

参考・出典

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